ハバース管とフォルクマン管の覚え方

こんにちは。ゴローです。

今回は、解剖生理学の中でも試験によく出る骨の構造骨の代謝について解説します。

特に「管の走行(縦か横か)」や「細胞が働く順番」は、国家試験での頻出ポイントですので、しっかり整理していきましょう。

骨の基本構造:緻密骨と海綿骨

 

骨は大きく分けて、外側の密度が高い緻密骨と、内側の網目状になっている海綿骨からなります。

今回は、特に構造が複雑な緻密骨について詳しく見ていきます。

緻密骨の構造「骨単位(オステオン)」

 

緻密骨を顕微鏡で拡大してみると、骨単位(オステオン)と呼ばれる構造が多数集まってできています。

イメージとしては、バームクーヘンのような構造です。 このバームクーヘンのような層の一枚一枚を骨層板と言います。

ハバース管とフォルクマン管の違い

 

このバームクーヘン(骨単位)には、重要な2つの「管」が通っています。ここの区別が試験では非常に重要です。

1. ハバース管(縦方向)

 

バームクーヘンの中心、真ん中を貫く管がハバース管です。 ハバース管の中には、血管や神経などが通っていて骨の細胞に栄養を与えています。

重要なのは走る向きです。 ハバース管は、骨の長軸方向に沿って縦方向に走ります。 ※長軸とは、その骨でもっとも長い向きのことです(長管骨であれば骨幹に沿う向き)。

2. フォルクマン管(横方向)

 

そして、縦に走るハバース管同士を横方向に連絡しているのがフォルクマン管です。

この「ハバース管は縦、フォルクマン管は横」という関係が試験によく出題されます。間違えないようにしましょう。

構造を例えるなら?

 

この2つの管の関係をイメージしやすくするために、デパートなどの建物で例えてみましょう。

  • ハバース管:デパートのエレベーターが通る縦のトンネル

  • フォルクマン管:エレベーターとエレベーターを繋ぐ各階の連絡橋(廊下)。

この管を通る血管が建物全体(骨全体)に栄養を運び、骨の新陳代謝を支えています。

骨の新陳代謝(骨リモデリング)

 

骨は一度できたら終わりではなく、常に新陳代謝(作り変え)を繰り返しています。これを専門用語で骨の再構築(骨リモデリング)と言います。

ここでは細胞の働く順番がポイントです。

1. 骨吸収(破壊)

 

まず、破骨細胞が出現し、古い骨を溶かして除去します。 これを骨吸収と言います。

2. 骨形成(修復)

 

次に、削られた穴に骨芽細胞が集まってきます。 骨芽細胞は骨の材料(コラーゲンなど)を分泌・沈着させ、新しい骨を作ります。 これを骨形成と言います。

3. 骨細胞への分化

 

新しい骨が形成される過程で、一部の骨芽細胞は自らが出した骨基質の中に閉じ込められ、骨細胞へと分化します。

この骨細胞は、ただ閉じ込められているだけではありません。骨にかかる重力や衝撃を感知する、骨の状態を感知するセンサーとしての機能を果たしています。

まとめと覚え方

 

最後に、今回の一番のポイントであるハバース管とフォルクマン管の覚え方のゴロを紹介します。

このイメージを持って、過去問に取り組んでみてください。

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