こんにちは。
ゴローです。
メルマガ読者さんからこういう質問を頂きました。
「レニン−アンジオテンシン−アルドテロン系の仕組みが分かりません。」
他にも多くの人が悩んでいると思うので今回はこの質問にお答えしようと思います。
以前の記事で紹介しましたが、こういう生理学の仕組みを理解するには論理的に順序立てて考えるのが効果的です。
この記事と合わせて読むと理解が深まると思います。
なぜその仕組みは存在するのか?
まず「レニン−アンジオテンシン−アルドテロン系」の仕組みは何のためにあるのでしょうか?
それは、下がった血圧を上げるためです。
身体の仕組みは素晴らしく良く出来ていて、それぞれの細胞が何らかの目的を持って働いています。
なので、その仕組みは何の目的を果たすべく存在するのか?を考えるとその仕組みがグッと理解しやすくなります。なぜなら、あとはその目的を達成する手段を見ていけば良いわけですからね。
では、はじめます。
「レニン−アンジオテンシン−アルデステロン系」の仕組み
血圧が下がる
↓
腎臓の血流量が減少する
↓
腎臓の傍糸球体細胞からレニンが分泌される
↓
レニンが血中のアンジオテンシノーゲンに作用して、アンジオテンシンⅠに変換する
↓
アンジオテンシンⅠは(ACE)によって、アンジオテンシンⅡに変換される
一気に理解しようとすると混乱してしまうので、まずはここまでの流れを図にしてイメージします。
※アンジオテンシノーゲンは肝臓で作られ、ACEは肺の血管内皮細胞で作られる。
ここまでオッケーでしょうか?
では、続きを見ていきますね。
ここからはさらに大事なところ
ここからアンジオテンシンⅡが大活躍します。ありとあらゆる手段を使って、血圧を上昇させますからね。
アンジオテンシンⅡが血圧を上昇させるために3つの手段を使います。。
①血管を収縮させる
②副腎皮質からアルドステロンを分泌させる
③バゾプレッシンの分泌を促進させる
順番に説明していきます。
①アンジオテンシンⅡは全身の血管を収縮させて血圧を上昇させる。
②アンジオテンシンⅡは副腎皮質からアルドステロンを分泌させる
↓
アルドステロンは腎臓の遠位尿細管に作用し、Na+の再吸収を促進させ、尿からのNa+排出を減少させる
↓
血管内のNa+が上昇し、それを薄めようと水分が血管に移動してくる
↓
血流の量が増える
↓
血圧が上がる
③アンジオテンシンⅡは脳下垂体後葉からバゾプレッシンを分泌させる
↓
バゾプレッシンは腎臓の集合管での水分の再吸収を促進させる
↓
尿量が減少する
↓
血液の量が増える
↓
血圧が上がる
アンジオテンシンⅡは、このようにして3つの方法で血圧を上昇させます。血圧を上昇させるというゴールが分かっていれば、あとはゴールまでの道のりを矢印を使ってつなげて考えていけば良いので分かりますよね。
今回はその仕組みが「何のために」存在しているのかという視点で問題を解いてきました。「何のために」を考えることで、仕組みがより理解しやすくなります。
あとは1つ1つ絡まった糸を丁寧にほぐすように、自分が分かるように仕組みを矢印を使って理解していけば良いです。
これも重要な考え方なので是非身に付けて下さい。
最後にまとめ
ちなみに血圧が上昇するとネガティブフィードバックが働き、レニンの分泌は抑えられます。
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