こんにちは。
ゴローです。
患者さんからよく、むくみについて相談されます。大体は血液の流れが悪かったり、筋肉量が少なかったりするものですが、中には何らかの病気によって引き起こされるむくみがあります。
ココが試験で狙われやすい所。
今回は試験で狙われる浮腫(むくみ)についてお話ししましょう。
むくみの仕組みってどうなってるの?
まずは、むくみをざっくりと理解しましょう。
すごく簡単に説明するとこうです。
【通常】
毛細血管→細胞間質液に水分がしみ出す。
細胞間質液→毛細血管に水分を回収する。
通常はこの流れがバランス良く保たれています。
むくみはこのしみ出すと回収するのバランスがくずれている状態です。
ちなみに、蛋白質が細胞間質液から水分を血管内に回収します。
血漿膠質浸透圧ってやつですね。
これはまた今度詳しく説明します。
そして図のように毛細血管から間質液へ水分がしみ出す力が強くなる、または間質液から毛細血管へ水分を回収する力が弱くなると
結果的に間質液の水分量が多くなります。
これがいわゆる浮腫(むくみ)の状態ですね。
むくみの種類
では、むくみを引き起こす原因を見ていきましょう。
まずは全体像をマインドマップでまとめます。
むくみ(浮腫)の原因はこんなにも沢山あります。
で、この中で一番試験で狙われる所が、
- 腎性浮腫
- 心性浮腫
- 肝性浮腫
この3つです。
さらに、この3つの中で一番試験に出るのが腎性浮腫です。
なので今回は腎性浮腫について焦点を絞って説明しようと思います。
腎性浮腫の中で代表的な疾患は3つ。
- 急性糸球体腎炎
- ネフローゼ症候群
- 腎不全
1つ1つ見ていきましょう。
なぜ急性糸球体腎炎になると浮腫になるのか?
糸球体は腎臓の濾過機能を担うわけですが、もし糸球体に炎症が起こればどうなってしまうのでしょうか。
矢印を使って順番に考えていきましょう。
急性糸球体腎炎
↓
糸球体に炎症が起こる(血尿)
↓
糸球体の網目が目詰りし血液の濾過機能が低下する
↓
尿の生成が減少する(乏尿)
↓
体内に水分やナトリウムが過剰になる(循環血流量の増加・高血圧)
↓
血管内の水分が細胞間質液にしみ出していく
↓
浮腫
※急性糸球体腎炎の三大症状は赤字にしています。
※また急性糸球体腎炎では蛋白尿が出ることで低アルブミン血症になり
間質液の水分を回収する力が弱まります。
この状態を先ほどの図で見るとイメージしやすいと思います。
・循環血流量の増加で水分がしみ出す力が強くなる。
・血管内の蛋白質の濃度が薄くなるので毛細血管への回収する力が弱くなる。
これらの原因によって急性糸球体腎炎は浮腫がおこるのです。
1つ1つ見ていくと何となくイメージができますよね。
長くなったので、ネフローゼ症候群と腎不全についてはまた今度書きます。
最後に急性糸球体腎炎の三大症状を絵ゴロにしましたので、これで記憶に焼き付けといて下さい。
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