小腸の構造(マイスネル神経叢とアウエルバッハ神経叢)

こんにちは。ゴローです。

今回は、小腸の壁の構造と、その働きを調節する神経叢について解説します。特に、マイスネル神経叢とアウエルバッハ神経叢の違いは混乱しやすいポイントなので、しっかり整理して覚えていきましょう。

小腸の壁の基本構造

小腸壁

小腸の壁は、食べ物が通る内側から外側に向かって、大きく4つの層で構成されています。

  • 粘膜
  • 粘膜下層
  • 固有筋層
  • 漿膜

この中で特に重要なのが固有筋層です。固有筋層は、内側の輪走筋と外側の縦走筋という2層の平滑筋でできており、これらの筋肉が協調して動くことで、小腸の複雑な運動を生み出しています。

 

消化管をコントロールする2つの神経叢

 

小腸の壁の中には、消化活動を自律的に調節するための2つの重要な神経ネットワーク(神経叢)が存在します。それがマイスネル神経叢アウエルバッハ神経叢です。

それぞれの神経叢が存在する場所を正確に覚えましょう。

  • マイスネル神経叢: 粘膜下層に存在します。
  • アウエルバッハ神経叢: 固有筋層の輪走筋と縦走筋の間に存在します。

では、次はこの2つの神経叢の働きの違いについて詳しく見ていきましょう。

 

マイスネル神経叢(粘膜下神経叢)の働き:分泌と感覚の司令塔

 

マイスネル神経叢は、粘膜下層に存在するため、粘膜下神経叢とも呼ばれます。「マイスナー神経叢」と表記されることもあります。

主な働きは、粘膜とその周辺での局所的な調節です。

  • 消化液の分泌調節: 消化酵素などを含む消化液の分泌をコントロールします。
  • 局所的な血流調節: 粘膜で吸収した栄養素を効率よく全身へ運ぶために、その部分の血流を増やします。
  • 感覚情報の受容: 腸管内にどんな成分の食べ物が入ってきたかを敏感に感じ取り、その情報をもとに適切な指令を出します。

つまり、マイスネル神経叢は「その場で起こっていることに細かく対応する」役割を担っています。

覚え方としては「分泌・感覚のマイスネル」とインプットしておきましょう。

アウエルバッハ神経叢(筋層間神経叢)の働き:腸運動の司令塔

 

一方、アウエルバッハ神経叢は、輪走筋と縦走筋の間に挟まれているため、筋層間神経叢とも呼ばれます。

主な働きは、その名の通り、筋肉の層の間で消化管運動全体をコントロールすることです。

  • 消化管の運動の調節: 小腸の分節運動(内容物を混ぜ合わせる運動)や蠕動(ぜんどう)運動(内容物を先へ送り出す運動)などを指令します。輪走筋と縦走筋を巧みに収縮・弛緩させることで、内容物をこね混ぜ、肛門側へと輸送していきます。

アウエルバッハ神経叢は、腸全体をダイナミックに動かす役割です。

覚え方はシンプルに「運動のアウエルバッハ」です。

まとめ:2つの神経叢の役割分担

 

最後に、2つの神経叢の役割を対比して整理しましょう。

  • マイスネル神経叢(分泌・感覚): 粘膜表面に何が来たかをチェックし、その場で消化液の分泌や血流を微調整する。
  • アウエルバッハ神経叢(運動): 輪走筋と縦走筋を協調させ、腸管全体を動かす指令を出す。

この2つの神経叢が連携して働くことで、私たちの消化・吸収はスムーズに行われています。それぞれの場所と機能、そして覚え方をセットで確実にマスターしておきましょう。

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