細胞の構造【解剖生理学の基本】

こんにちは!

ゴローです。

今回は、国家試験でも頻出の細胞の構造について、一緒に見ていきましょう!

 

ヒトの体は、約37兆個ともいわれる、沢山の数の細胞が集まってできています。

その一つ一つの細胞をミクロの世界で見てみると、主に3つの基本構造に分けられます。

それが、「細胞膜」「細胞質」「核」の3つ。

① 細胞膜:細胞を守るバリアであり、重要な関所

細胞膜は、細胞の一番外側にあって、細胞の中と外を隔てている「境界線」の役割をしています。

この膜は「リン脂質二重層」という構造でできています。これは、水と仲良しの部分(親水基)と、油と仲良しの部分(疎水基)がうまく並んでできていて、細胞の内外をしっかり仕切っています。

そして、この膜には「膜タンパク質」が点在していて、これが細胞に必要な物質を取り込んだり、不要な物質を排出したりする「関所」のような働きをしています。何でも通すわけではなく、必要なものだけを選ぶ、とても重要な機能です。

② 細胞質:生命活動が行われる活気あふれる作業場

細胞膜の内側、核以外の部分をすべて細胞質と呼びます。 細胞質は、水分を主成分とする「細胞質基質(サイトゾル)」と、その中に浮かぶ「細胞小器官」で構成されています。

細胞小器官は、それぞれが専門的な役割を持つ、いわば「細胞内の小さな臓器」。ここで、細胞が生きていくための様々な化学反応(代謝)が行われています。

  • ミトコンドリア:酸素を使ってエネルギー(ATP)を作り出す「エネルギー工場
  • リボソーム:タンパク質を合成する小さな「制作工場」
  • 小胞体
    • 粗面小胞体:リボソームが付着。タンパク質の加工・輸送路。
    • 滑面小胞体:脂質の合成や、薬物などの解毒を担当。
  • ゴルジ装置:小胞体から来たタンパク質を最終加工し、梱包・発送する「物流センター
  • リソソーム(水解小体):不要になった物質を分解する「掃除屋」
  • 中心体:細胞分裂の際に染色体を引っ張る、重要な役割を担います。

また、細胞質には細胞の形を支え、内部の構造を保つ「細胞骨格」という骨組みもあります。 細胞骨格は、太さの違う以下の3種類で構成されています。

  • 微小管:最も太い。細胞小器官の移動レールにもなる。
  • 中間径フィラメント:中間の太さ。丈夫で、細胞の形を保つ主役。
  • アクチンフィラメント:最も細い。筋肉の収縮や細胞の運動に関わる。

③ 核:遺伝情報を保管する「司令塔」

そして、細胞の活動をコントロールしている最も重要な部分が、中心に位置するです。 核は、細胞の設計図であるDNAを保管している「司令塔」と言えます。

  • 核膜:核を覆う二重の膜です。「核膜孔」という小さな穴がたくさん開いていて、設計図の情報(mRNAなど)がここを通って細胞質へ出ていきます。
  • 核質:核の内部を満たしている液体部分。ここには遺伝情報であるDNAがヒストンというタンパク質と結合した「染色質(クロマチン)」の形で存在しています。
  • 核小体:核の中に存在する濃い部分。タンパク質合成に不可欠な**リボソームRNA(rRNA)**はここで作られます。

まとめ:細胞の構造と役割

  • 細胞膜
    • 役割:細胞内外の境界線。物質の出入りを調節する関所。
  • 細胞質
    • 役割:細胞内の作業スペース。細胞小器官が代謝や輸送を行い、細胞骨格が形を保つ。
    • 役割:遺伝情報(DNA)が詰まった司令塔。細胞の設計図を管理する。

これらの主要な構造が、お互いに見事に連携し合うことで、一つの細胞としての生命活動が維持されています。

まずはこの基本の構造と役割をしっかり押さえて、解剖生理学の学習を進めていきましょう。

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