こんにちは。
ゴローです。
朝起きたらまぶたが腫れぼったい。
夕方になると足がパンパンになる。
これが浮腫、いわゆる「むくみ」です。
浮腫の原因はさまざまですが、
腎臓の病気によって起こるものを腎性浮腫といいます。
では、腎臓がうまく働かなくなると、
なぜむくみが起こるのか?
用語は多く見えますが、流れ自体はとてもシンプル。
「GFR低下」→「水・Na排泄低下」→「循環血液量増加」→「毛細血管内圧上昇」→「浮腫」
たったこれだけのストーリーです。
順番に見ていきましょう。
目次
腎機能が低下するとGFRが下がる
腎臓の大きな役割は、血液をろ過して尿を作ること。
このろ過を行う場所が糸球体です。
糸球体でどれくらい血液をろ過できるかを示す指標が、
糸球体濾過量(GFR)。
簡単にいえば「原尿を作る力」のことです。
急性糸球体腎炎や腎不全などで腎機能が低下すると、
糸球体でのろ過がうまくいかなくなります。
その結果、GFRが低下し、尿のもとが作られにくくなります。
水分とナトリウムが体にたまる
GFRが低下すると、尿のもとが減ります。
すると、本来なら体の外へ捨てるはずだった
余分な水分とナトリウムを排泄できなくなります。
ここで重要なのが、ナトリウムの性質。
ナトリウムには水を引き寄せる力がある。
体内にナトリウムがたまると、
水分も一緒に体内へ残りやすくなります。
つまり、腎機能低下では
水分だけでなくナトリウムもたまり、
その結果循環血液量が増加していきます。
毛細血管内圧が上がり浮腫が起こる
循環血液量が増えると、血管内の圧力が上がります。
特に毛細血管内圧が上昇。
毛細血管内圧が上がると、
水分が血管の中にとどまりきれず、外へ押し出されます。
この水分が、細胞と細胞のすき間(間質)にたまった状態。
これが浮腫です。
流れを整理すると、
- 腎機能低下 → GFRが下がる
- GFR低下 → 尿のもとが作れない
- 水・Na排泄低下 → 体内に水分がたまる
- 循環血液量増加 → 血管内の圧力が上がる
- 毛細血管内圧上昇 → 水分が血管外へ出て浮腫
この5ステップが、GFR低下による腎性浮腫の基本です。
試験頻出|GFR低下タイプとネフローゼタイプの違い
腎性浮腫には、もう1つ重要なタイプがあります。
ネフローゼ症候群による浮腫です。
| GFR低下タイプ | ネフローゼタイプ | |
|---|---|---|
| 原因疾患 | 急性糸球体腎炎・腎不全 | ネフローゼ症候群 |
| メカニズム | 水・Naを排泄できない | アルブミン低下で水を血管内に戻せない |
| キーワード | GFR低下・毛細血管内圧上昇 | タンパク尿・膠質浸透圧低下 |
ネフローゼ症候群では、尿中に大量のタンパク質が失われ、
血液中のアルブミンが低下します。
アルブミンは、血管内に水を引き戻す力である
膠質浸透圧に関わるタンパク質。
アルブミンが減ると水を血管内に保持できなくなり、
水分が血管外へ漏れ出して浮腫になります。
同じ腎性浮腫でも、
「水を捨てられない」のか「水を血管内に戻せない」のか。
メカニズムがまったく異なるポイントです。
試験で押さえるべき3つのポイント
- GFR低下 → 水・Na排泄低下 → 循環血液量増加 → 浮腫の流れ
- ネフローゼでは膠質浸透圧低下が原因(GFR低下タイプとは別メカニズム)
- 腎性浮腫は朝の顔・まぶたのむくみが特徴的
3つ目は、心性浮腫(下腿中心・夕方に悪化)との対比で出題されやすいポイント。
就寝中は体が水平になるため、水分が顔にも移動しやすくなります。
まとめ
腎性浮腫は、一見すると複雑に見えます。
でも、2つのタイプを分けて考えればシンプルです。
- GFR低下タイプ:水・Naを捨てられず、血液量が増えて浮腫
- ネフローゼタイプ:アルブミンが減り、水を血管内に戻せず浮腫
この2つの流れを整理してみてください。
「なぜむくむのか」を病態から説明できるようになると、
国試の選択肢でも迷わず判断できるようになります。
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