右心不全で浮腫が起こるしくみ|中心静脈圧と毛細血管内圧をわかりやすく解説

こんにちは。
ゴローです。

浮腫というと「アルブミンが減る」「膠質浸透圧が下がる」
というイメージが先行しやすい分野です。

でも、浮腫の原因はそれだけではありません。
右心不全では、まったく別のメカニズムで浮腫が起こります。

この記事では、右心不全で浮腫が起こるしくみを、
中心静脈圧毛細血管内圧を中心に整理します。

ポイントは3つ。

  • 心不全で血液が渋滞するしくみ
  • 中心静脈圧と毛細血管内圧の関係
  • アルブミン低下の浮腫との違い

順番に見ていきましょう。

心不全では血液を前に送り出せなくなる

心臓は全身に血液を送り出すポンプです。

心不全になると、このポンプ機能が低下し、
心臓から送り出せる血液量が減少します。

血液を前に進める力が弱くなるため、
心臓の手前にある血液が渋滞しやすくなる。

特に右心不全では、
全身から右心房へ戻ってくる静脈血を
うまく受け取れなくなります。

その結果、静脈側に血液がたまり始めます。

中心静脈圧の上昇から静脈うっ血が広がる

心臓に戻る血液は、静脈を通って右心房へ向かいます。
この右心房付近の大静脈にかかる圧力が、中心静脈圧です。

右心不全では右心系が血液をうまく受け取れないため、
心臓の手前で血液が渋滞し、中心静脈圧が上昇します。

この圧は心臓の近くだけにとどまりません。
全身の静脈、さらに毛細血管の静脈側へと波及します。

静脈内に血液がたまって流れにくくなった状態が静脈うっ血
うっ血が広がると、毛細血管内圧も上昇します。

つまり、心臓の手前で起きた渋滞が、
末端の毛細血管レベルにまで影響を及ぼすということ。

毛細血管内圧が上がると浮腫が起こる

毛細血管内圧が高くなると、
血管内の水分が外へ押し出されやすくなります。

通常、毛細血管では
押し出す力(毛細血管内圧)と
引き戻す力(膠質浸透圧)がバランスをとっています。

右心不全では毛細血管内圧が上がるため、
押し出す力が引き戻す力を上回り
血管外の間質に水分がたまる。

これが右心不全による浮腫のメカニズムです。

右心不全は全身の静脈血が渋滞するため、
浮腫も全身性になりやすいのが特徴。

症状 特徴
下腿浮腫 重力の影響で足に水分がたまりやすい
頸静脈怒張 中心静脈圧上昇の直接的な所見
肝腫大 肝静脈のうっ血による腫大
腹水・胸水 体腔内への体液貯留
体重増加 水分貯留を反映

試験で押さえるべきポイント|アルブミン低下との違い

浮腫の原因を整理するとき、
「なぜ水が血管外に出るのか」を考えることがカギです。

浮腫の原因 メカニズム
アルブミン低下 膠質浸透圧の低下 → 水を引き戻す力が弱くなる
右心不全 毛細血管内圧の上昇 → 水が外へ押し出される

どちらも浮腫を起こしますが、機序が異なるポイント。
試験では「どちらの機序か」を区別する問題が出ます。

  1. 右心不全の浮腫は「静脈うっ血→毛細血管内圧上昇」が原因
  2. 右心不全=全身性の浮腫:下腿浮腫・頸静脈怒張・肝腫大・腹水がキーワード
  3. アルブミン低下とは機序が異なる:「引き戻す力の低下」と「押し出す力の増大」を区別する

まとめ

右心不全の浮腫は、一見すると複雑に見えます。

でも、流れを順番にたどればシンプルです。

  • 右心不全でポンプ機能が低下
  • 心臓の手前で血液が渋滞し、中心静脈圧が上昇
  • 圧が全身の静脈へ波及し、毛細血管内圧が上昇
  • 水分が血管外へ押し出されて浮腫が発生

この流れで整理してみてください。

アルブミン低下による浮腫とあわせて理解すると、
「水が血管外に出る理由」の全体像がつかめるようになります。

 

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