こんにちは。
ゴローです。
活動電位がニューロンの軸索を伝わる。
ここまではイメージできている人が多いです。
でも、その電気信号が次の細胞にどうやって渡るのか?
ここで登場するのがシナプスです。
実は、ニューロン同士は直接つながっていません。
間にすき間があり、電気信号はそのまま流れ込めない構造になっています。
では、どうやって情報を渡すのか。
答えは、電気信号→化学物質→電気信号という変換です。
この記事では、その中でも基本となる興奮性シナプスの仕組みを順番に整理していきます。
目次
シナプスの基本構造|5つのパーツで理解する
シナプスを構成するパーツは、次の5つです。
- シナプス前細胞:情報を送り出す側のニューロン
- 神経終末(シナプス前終末):軸索の末端部分
- シナプス小胞:神経伝達物質を蓄えている袋
- シナプス間隙:細胞間のすき間(約20nm)
- シナプス後細胞:情報を受け取る側の細胞
ポイントは、シナプス間隙があるために電気信号が直接渡れないということ。
だからこそ、化学物質による受け渡しが必要になります。
活動電位からCa²⁺流入へ|伝達のスタート
軸索を伝わってきた活動電位が、シナプス前終末に到達します。
すると、シナプス前膜にある電位依存性Ca²⁺チャネルが開きます。
Ca²⁺が細胞外から細胞内へ流入。
このCa²⁺の流入が引き金となり、シナプス小胞が細胞膜と融合します。
融合した小胞から、神経伝達物質がシナプス間隙へ放出されます。
ここでの代表例がグルタミン酸。
中枢神経系で最も多い興奮性神経伝達物質です。
神経伝達物質の結合からEPSPへ
放出された神経伝達物質は、
シナプス後細胞の膜にある受容体チャネルに結合します。
ここで重要なのが、この受容体の構造です。
シナプス後膜にあるのは、受容体とNa⁺チャネルが一体になった構造(リガンド依存性イオンチャネル)。
つまり、神経伝達物質が結合する部位と、イオンが通る穴が同じタンパク質複合体に含まれています。
グルタミン酸がこの受容体チャネルに結合すると、
チャネル部分が直接開き、Na⁺が細胞内へ流入します。
すると、細胞内のマイナスが弱まり、膜電位が0mV方向へ変化する。
これが脱分極です。
この局所的な脱分極を、EPSP(興奮性シナプス後電位)と呼びます。
注意点がひとつ。
1回のEPSPだけでは、活動電位は発生しないことが多いです。
複数のEPSPが加重されて膜電位が閾値に達したとき、
はじめて電位依存性Na⁺チャネルが開き、活動電位が発生します。
シナプス伝達の全体像|流れを一気に整理
全体の流れをまとめると、次のようになります。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① | 活動電位がシナプス前終末に到達 |
| ② | 電位依存性Ca²⁺チャネルが開く |
| ③ | Ca²⁺が細胞内へ流入 |
| ④ | シナプス小胞が細胞膜と融合 |
| ⑤ | 神経伝達物質がシナプス間隙へ放出 |
| ⑥ | シナプス後膜の受容体に結合 |
| ⑦ | Na⁺流入 → 脱分極(EPSP) |
| ⑧ | 閾値到達 → 活動電位発生 |
この流れを「電気→化学→電気」と覚えると、
構造全体がシンプルに整理できます。
試験で押さえるべき4つのポイント
興奮性シナプスに関する問題では、以下の組み合わせが頻出です。
- Ca²⁺流入 → 神経伝達物質の放出(放出のトリガー)
- Na⁺流入 → 脱分極(EPSP)(シナプス後細胞の反応)
- EPSPの加重 → 閾値到達(活動電位発生の条件)
- 電気信号がそのまま渡るのではなく、化学物質を介する(シナプス伝達の本質)
特に「Ca²⁺」と「Na⁺」の役割の違いは混同しやすいポイント。
Ca²⁺はシナプス前側で伝達物質の放出に関わり、
Na⁺はシナプス後側で脱分極に関わります。
なお、神経伝達物質の中には抑制性にはたらくものもあります。
その場合は膜電位をよりマイナス側に変化させ、IPSP(抑制性シナプス後電位)を生じさせます。
まずはこの興奮性シナプスの基本形を固めてから、抑制性へ広げると理解しやすいです。
まとめ
興奮性シナプスの仕組みは、一見すると複雑に見えます。
でも、「電気→化学→電気」の変換という骨組みさえ押さえればシンプルです。
- 活動電位が到達 → Ca²⁺流入で伝達物質を放出
- 伝達物質が受容体に結合 → Na⁺流入で脱分極(EPSP)
- EPSPが加重して閾値到達 → 新たな活動電位が発生
この3段階で整理してみてください。
シナプスの理解は、反射弓・筋収縮・自律神経・薬理学など、
あらゆる分野の土台になります。
まずはこの基本形をしっかり固めておきましょう。








