ゴローです。
メルマガ読者さんから酸塩基平衡がよくわからないという質問メールが送られてきたのでこれに答えようと思う。
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”4.jpg” name=”読者さん”]酸塩基平衡の問題で、アシドーシスや、アルカローシス、また代謝性なのか呼吸性なのか違いがわかりません。なんとなく理解しても、問題でPaCO2がどうなると…など文章になるとまた分からなくなってしまいます。(一部改変) [/speech_bubble] [speech_bubble type=”think” subtype=”R1″ icon=”3.jpg” name=”ゴロー”] ここでつまづいている人多いだろな。久しぶりに質問に答えてみっか。[/speech_bubble]
※あくまで国試で点を取るための攻略法です。専門的に見たら、つっこみどころは多々あると思う。そこんとこよろしく!
目次
酸塩基平衡がよくわからない人へ。
まず、この酸塩基平衡って言葉。
とっつきにくいよね。
そう思ったら、言葉を噛み砕いて考えてみよう。
酸(酸性)
塩基(アルカリ性)
平衡(バランスをとること)
つまり、酸塩基平衡とは体内の血液の酸性とアルカリ性のバランスを一定(pH7.4くらい)に保つこと。
なぜ体内の血液は酸性とアルカリ性のバランスを一定に保つ必要があるのか?
体内の酵素はタンパク質だから、pHが大きく変わると酵素は変化して働けなくなってしまうからなんだ。
つまり、身体はpHを調節して体内の酵素が最も働きやすい環境を作ってるわけ。
じゃー、どうやって酸性とアルカリ性のバランスを調節しているのかって言うと、肺と腎臓の機能によって調節しているんだ。
複雑そうに見える言葉も1つ1つ自分が分かるレベルまでひもといて考えると腑に落ちる。
生理学では、なぜ?どうして?と自問自答しながら自分で調べていくことで、身体の仕組みがどんどん分かってくる。←これ重要
次に、この図をちょいとみて。
pHって何だ?
pHとは酸の強さのこと。
酸の強さとは、水素イオン濃度のこと。
つまり、
pHとは、水素イオン濃度のことなんだ。
言いかえれば、
pHとは、体内にどれだけの水素イオンが含まれているかを表しているものなんだ。
で、この水素イオンが沢山あるほど、pHの値が小さくなる。
つまり、体内の血液が酸性に傾く。
酸性に傾くことをアシドーシスと言うんだ。
じゃー反対は?
もう分かるよね。
水素イオンが少なくなれば、pHの値は大きくなる。
つまり、体内の血液がアルカリ性に傾く。
これをアルカローシスと言う。
ここまでオッケ?
そして、ここから先が重要。
試験で狙われる所でもあり、みんなが混乱するとこなんじゃわ。
pH調整の化学式を見てくれ。
はい、拒否反応!
もう、こういう式を見ると、途端に嫌気がさすよね。
化学式嫌いやわぁて。
でもご安心を。
こういった場合は、日本語に直訳すればいいのさ。
水と二酸化炭素がくっついて、炭酸になる。
その後、炭酸は、重炭酸イオンと水素イオンにわかれる。
(※逆の流れもある)
ここではあえて結合をくっつくと表現し、分離をわかれると表現した。
難しい言葉を普段自分が使っている言葉に置き換えることで、一気にイメージが湧くようになるんだ。
くっついたり、わかれたりって恋愛か!みたいな感じでね。
無機質な化学式に血が通うでしょ。こーゆーのも意外と大事。
で、ここで注目してほしいのは、二酸化炭素が沢山あると、水素イオンも多くなるってこと。
ここ大事だぜぇ〜。
なぜなら、最初に言ったよね?
水素イオンが沢山あればpHの値は小さくなる、つまり酸性に傾く(アシドーシス)って。
てことは、体内の二酸化炭素が多くなると、体内は酸性に傾くと言いかえる事もできる。
じゃー、
体内の二酸化炭素が多くなるって、どーゆー時?
それは、
息を吐き出すのが苦しい時(二酸化炭素が出せないから)。
つまり、換気障害があるとき。
(具体的に言うと、1回換気量低下、呼吸数低下、死腔量増大など)
まー今は細かい事は忘れてくれ。
それよりも、全体の流れを大雑把に把握しよう。
息を吐き出すのが苦しい(換気障害)疾患は、喘息、肺気腫、COPDなどがそれにあたる。
まとめると、
肺気腫で息を吐き出すのが苦しい。
↓
体内の二酸化炭素が外に出せない(=体内に二酸化炭素がたまる)
↓
体内の二酸化炭素が多くなると、水素イオンが多くなる
↓
水素イオンが多くなると体内のpHが酸性に傾く
↓
これを呼吸性アシドーシスと言うんだ。
ちなみに、試験では呼吸性アシドーシスは、PaCO2↑(増加) と表される。
PaCO2を簡単に説明すると、
PはPressure(圧力)
aはartery (動脈)
つまり、PaCO2とは、動脈血内にCO2がどれだけ溜まっているかということを表す。
てことは、
PaCO2が増加するということは、CO2が体内に沢山溜まっていく状態だと言える。
CO2が沢山溜まると、体内の血液が酸性に傾く。
結果、呼吸性アシドーシスになるってわけ。
オッケーだね。
呼吸性アシドーシスの仕組みが分かれば次はすぐに理解できると思う。
呼吸性アルカローシスについてだ。
これは、呼吸性アシドーシスの反対を考えればいいんだ。
つまり、
体内の二酸化炭素が少なくなる時って、どーゆー時?
それは、息を過剰に吐き出す時。
過呼吸をする時だ。
過換気症候群はこれにあたる。
過換気とは、呼吸が深く早くなること。
つまり、体内の二酸化炭素がどんどん排出されていく。
すると、体内のpHはアルカリ性に傾く。
これを呼吸性アルカローシスというんだ。
もちろん、動脈血内のCO2は少なくなるので、
呼吸性アルカローシスは、PaCO2(二酸化炭素分圧)が減少する。
漫画やドラマで過換気症候群の人が過呼吸になった時に、紙袋を鼻や口に当てて呼吸しているのを見たことない?(漫画のNANAとかであったと思うでそんなシーン。)
あれは、自分が吐いた息をまた吸うことで血中の二酸化炭素濃度を上げて調節しているんだ。
大体なんとなくアシドーシスとアルカローシスの流れは分かったよね。
ここで、さらに記憶に焼き付けるためにこれをマインドマップにまとめたので見てくれ。
生理学は疑問に思ったことをなぜ?どうして?と自問自答しながら掘り下げ知識をつなげていくことで理解度がアップする。
そして、最後にその流れを図解(マインドマップでも落書きでも何でもいい)することで記憶に定着し、結果試験の点数もアップする。
是非、この勉強法は取り入れてみてほしい。無理には言わんけど。
長くなったので、今回はここまで。
実は、このブログ記事の文字数は2400文字以上ある。
原稿用紙で言うと、6枚分だ。膨大だよね。
でも、意外とあっという間に読めなかった?
自分が理解できる言葉だと長い文章でも集中力が途切れることなく読み続けることができる。
結果、沢山の知識を身に付けることができるんだ。
だから、参考書とかも初心者が読んでも理解できるやつを手にとってほしい。背伸びして難しいのを手にとっても意外と集中力が続かず、入ってくる情報量が少なかったりする。
まーそのへんは臨機応変にね。
次回は代謝性アシドーシスについて話そうと思うんだ。
この参考書はすごく分かりやすいのでお勧め。
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