肝性浮腫とは?アルブミン低下と門脈圧亢進の仕組みで解説

こんにちは。
ゴローです。

足がむくむ。
お腹に水がたまる。

肝硬変の患者さんに、こうした症状が現れることがあります。
これが肝性浮腫です。

では、肝臓の機能が低下すると、
なぜむくみや腹水が起こるのか?

ポイントは2つ。

「アルブミン低下 → 膠質浸透圧低下 → 浮腫」
「門脈圧亢進 → 腹水」

この2つの流れを押さえれば、肝性浮腫の全体像が見えてきます。
順番に見ていきましょう。

肝臓はアルブミンを合成している

肝臓には多くの働きがありますが、
浮腫の理解で重要なのがアルブミンの合成です。

アルブミンは血漿タンパク質の一種。
血管内に水分を引き寄せる力に深く関わっています。

肝硬変などで肝機能が低下すると、
アルブミンを十分に作れなくなります。
その結果、血液中のアルブミン濃度が低下。

これが肝性浮腫の出発点です。

アルブミン低下で水分が血管外へ漏れ出す

通常、血管の外へ出た水分は、
アルブミンの力で血管内へ引き戻されています。
この力が膠質浸透圧

血液中のアルブミンが減ると、
血管内に水を引き留める力が弱くなります。

すると水分が血管外の間質へ移動しやすくなり、
浮腫が起こります。

流れを整理すると、

  1. 肝機能低下 → アルブミンを作れない
  2. 血中アルブミン低下 → 膠質浸透圧が下がる
  3. 膠質浸透圧低下 → 水分が血管外へ移動
  4. 浮腫

特に下腿浮腫(膝から足首にかけてのむくみ)が目立ちやすいポイント。
立位では重力の影響で水分が下肢にたまりやすく、
指で押すと跡が残る圧痕性浮腫が見られます。

門脈圧亢進で腹水が起こる

肝性浮腫を理解するうえで、もう1つ重要なのが門脈圧亢進です。

門脈とは、胃・腸・脾臓などから集まった血液を肝臓へ送る血管。
肝硬変で肝臓が硬くなると、
門脈の血液が肝臓の中を通りにくくなります。

その結果、門脈の圧力が上昇。
これが門脈圧亢進です。

門脈圧が高くなると、
腹部の血管に圧がかかり、水分が腹腔内へしみ出します。
これが腹水

腹水の最も多い原因は門脈圧亢進とされています。

肝硬変では門脈圧亢進に加えて、
アルブミン低下や腎臓での水・ナトリウム貯留も重なるため、
腹水がさらに生じやすくなります。

試験で押さえるべき3つのポイント

  1. 肝機能低下 → アルブミン低下 → 膠質浸透圧低下 → 浮腫の流れ
  2. 門脈圧亢進 → 腹水(腹水の最多原因は門脈圧亢進)
  3. 肝性浮腫では下腿浮腫と腹水の2つが臨床的に重要

特に2つ目は、腹水の原因を問う問題で頻出。
肝硬変による門脈圧亢進が最も多い原因であることは、
必ず押さえておいてください。

まとめ

肝性浮腫は、一見すると複雑に見えます。

でも、2つの流れに分けて整理すればシンプルです。

  • アルブミン低下 → 膠質浸透圧低下 → 水分が血管外へ → 浮腫(特に下腿)
  • 門脈圧亢進 → 腹部の血管に圧がかかる → 腹水

この2つの流れで整理してみてください。

「なぜ足がむくむのか」「なぜ腹水がたまるのか」を
病態から説明できるようになると、
試験の選択肢でも迷わず判断できるようになります。

 

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