興奮性シナプスと抑制性シナプスとは|EPSPとIPSPをわかりやすく解説

EPSPとIPSP

こんにちは。
ゴローです。

同じシナプスの仕組みなのに、
ある信号は次の細胞を「興奮させる」。
別の信号は「抑える」。

この違いを生んでいるのが、
興奮性シナプス抑制性シナプスです。

カギになるのは、受容体に結合したあとにどのイオンが動くか
ここさえ押さえれば、EPSPとIPSPの区別は一本の線で整理できます。

シナプスの基本|情報はどのように伝わるのか

神経細胞は、電気信号と化学物質を組み合わせて情報を伝えています。

神経細胞どうしの間にはシナプス間隙という隙間があります。
この隙間で情報の受け渡しが行われます。

情報を送る側をシナプス前細胞、受け取る側をシナプス後細胞といいます。

神経の信号が神経終末に届くと、シナプス前細胞のシナプス小胞から神経伝達物質が放出されます。
この神経伝達物質が、シナプス後細胞の受容体に結合。

受容体の種類によって、次に何が起こるかが決まります。
次の細胞が必ず「興奮する」わけではないのが重要なポイント。

シナプスの基本

興奮性シナプスとEPSP|脱分極が起こる仕組み

興奮性シナプスとは、次の神経細胞を興奮しやすくするシナプスです。

代表的な興奮性の神経伝達物質はグルタミン酸
グルタミン酸が受容体に結合すると、Na⁺(ナトリウムイオン)などの陽イオンが細胞内に流入します。

陽イオンが入ってくると、細胞内の電位がプラス方向に傾きます。
この変化を脱分極といいます。

このとき生じる小さな電位変化をEPSP(興奮性シナプス後電位)といいます。

EPSPは1回で活動電位を引き起こすわけではありません。
小さな脱分極が何度も重なったり、複数のシナプスからの入力が集まったりすることで、
膜電位が閾値に達すると活動電位が発生します。

興奮性シナプス

抑制性シナプスとIPSP|過分極が起こる仕組み

抑制性シナプスとは、次の神経細胞を興奮しにくくするシナプスです。

代表的な抑制性の神経伝達物質はGABA(ガンマアミノ酪酸)
GABAが受容体に結合すると、Cl⁻(塩化物イオン)などの陰イオンが細胞内に流入しやすくなります。

陰イオンが入ってくると、細胞内の電位がマイナス方向に傾きます。
この変化を過分極といいます。

このとき生じる電位変化をIPSP(抑制性シナプス後電位)といいます。

過分極が起こると、膜電位が閾値から遠ざかります。
つまり、抑制性シナプスは神経の働きを止めるというよりも、
「活動電位が起こりにくくなるブレーキ」の役割を果たしています。

抑制性シナプス

EPSPとIPSPは統合される|神経細胞の「判断」の仕組み

神経細胞には、興奮性入力と抑制性入力が同時に届いています。

EPSP(興奮性) IPSP(抑制性)
神経伝達物質 グルタミン酸など GABAなど
移動するイオン Na⁺(陽イオン流入) Cl⁻(陰イオン流入)
膜電位の変化 脱分極(プラス方向へ) 過分極(マイナス方向へ)
活動電位への影響 起こりやすくなる 起こりにくくなる

EPSPが大きければ、膜電位が閾値に達して活動電位が発生。
IPSPが強ければ、活動電位は発生しにくくなります。

神経細胞は、こうした入力の足し合わせ(統合)によって、次へ信号を送るかどうかを「判断」しています。
単純な「オン・オフ」ではなく、興奮と抑制のバランスで情報を選別しているのが神経系の精巧な仕組み。

興奮と抑制の統合

試験で押さえるべきポイント

  1. EPSPはNa⁺流入による脱分極。興奮性シナプス後電位のこと
  2. IPSPはCl⁻流入による過分極。抑制性シナプス後電位のこと
  3. EPSPは閾値に近づける変化、IPSPは閾値から遠ざける変化
  4. 活動電位は、EPSPとIPSPの統合の結果として発生する

試験では「EPSP・IPSPが起こる際に移動するイオン」と「膜電位の変化の方向」が頻出です。
この組み合わせはセットで覚えておいてください。

まとめ

EPSPとIPSPは、一見するとバラバラな用語に見えます。

でも、「どのイオンが動いて、膜電位がどう変わるか」を軸に整理すれば、すっきり区別できます。

  • 興奮性シナプス → Na⁺流入 → 脱分極 → EPSP(活動電位に近づく)
  • 抑制性シナプス → Cl⁻流入 → 過分極 → IPSP(活動電位から遠ざかる)
  • 神経細胞はEPSPとIPSPを統合して、活動電位を発生させるかを決める

この流れを頭に入れた上で、神経伝達物質の種類や受容体の詳細へ進むと、
理解が定着しやすくなります。

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